「ITに詳しい社員がいないから、受託開発はまだ早い」と相談の場で聞くことがあります。けれど、静岡市内の店舗や中小企業で私が実際に話を伺うと、必要なのは専門知識より、今の仕事を具体的に説明できる人と社内で決める人です。
難しい言葉の資料を先に作る必要はなく、現場の動き、困っている場面、変えてはいけない運用を順番に出せば、開発会社と話せる土台になります。
最初に決めるのは機能ではなく「どの困り事を減らすか」
要件整理で最初から「顧客管理機能が欲しい」「スマホ対応にしたい」と機能名を並べると、本来の課題が隠れがちです。まず書くのは、誰が、いつ、何を二度入力しているか。どこで確認待ちや転記ミスが起きるかです。
たとえば、駿河区の事務所で受注内容を表計算へ入力し、清水の現場が同じ内容を紙へ書き直しているなら、欲しいのは単なる入力画面ではありません。受注から現場確認まで、同じ情報を一度の入力で渡せる流れです。ここを外すと、画面は新しくても二重入力が残ります。
一枚の業務メモに残す項目
- 開始と終了 依頼を受けてから請求や完了確認まで、どこまでを対象にするか
- 担当と場所 店舗、事務所、倉庫、外出先で誰が操作するか
- 件数と頻度 一日、一週間、繁忙期に扱う件数の目安
- 例外 返品、差し戻し、当日変更、承認者不在のときの扱い
- 残すもの 今の帳票、会計処理、取引先指定の書式など
社内担当は「詳しい人」より「判断できる人」を置く
社内窓口を、パソコン操作が得意という理由だけで若手社員に任せるケースがあります。すると開発会社から質問が来ても、運用変更や追加費用を決められず、回答待ちに。ここが止まりやすいところです。
小規模な会社なら、常時専任を置かなくても進められます。ただし、次の役割だけは名前で決めておくと打ち合わせがぶれません。一人が複数を兼ねても構いません。
- 最終判断者 予算、優先順位、運用変更を決める経営者や責任者
- 業務の説明役 日々の作業と例外を知る現場担当
- 連絡窓口 質問を集め、回答期限を管理する人
- 確認担当 試作画面を実際の仕事に沿って試す人
藤枝の倉庫と静岡市内の事務所のように拠点が分かれる場合は、片方の話だけで決めないこと。各拠点から実務を知る人を一人ずつ出すのが現実的です。打ち合わせ参加が難しければ、事前に画面録画や手書きメモを集めても十分役立ちます。
要件整理の一週間は、普段どおり働きながら記録する
会議室で記憶を頼りに業務を洗い出すと、月末だけの処理や、ベテランが黙って直している例外が抜けます。目安として一週間、普段どおり働きながら「困った瞬間」を記録すると精度が上がります。月締めがある業務は、締め日の確認も別に必要です。
- 使っている台帳、伝票、申込書、メールのひな型を集める
- 作業ごとに入力者、確認者、次に渡す相手を書く
- やり直しが起きた事例を、原因と直し方まで残す
- なくしたい作業と、今のまま残したい作業を分ける
- 初回公開に必要な範囲と、後から足せる範囲に印を付ける
個人情報を含む実データは、渡す前に氏名や連絡先を伏せます。資料共有の方法、閲覧できる人、開発終了後の返却や削除も、契約前に確認しておきたいところです。
見積書は金額だけでなく「含まれない作業」を読む
同じ相談でも、データ移行、既存サービスとの連携、操作説明、公開後の修正が見積もりに入っているかで総額は変わります。安く見えた案に後から作業が足されるより、除外項目が明記された見積書のほうが経営判断はしやすい。私は打ち合わせで、曖昧な箇所をそのままにせず、誰が何を準備するかまで確認します。
契約前にそろえたい確認
- 完成と判断する条件、試用期間、検収の進め方
- 追加費用になる変更の基準と、着手前の承認方法
- データの所有者、バックアップ、障害時の連絡先
- 公開後の保守範囲、月額費用、解約時のデータ受け取り方法
画面の見た目は試作品で早めに確認します。完成直前に初めて触るより、入力欄の順番やスマートフォンでの押しやすさを途中で直すほうが、手戻りを抑えやすいためです。
担当者が交代しても止まらない記録を残す
受託開発は公開日が終点ではありません。設定変更の依頼先、管理画面の操作手順、毎月の確認事項を短い手順書にし、特定の社員しか分からない状態を避けます。問い合わせ履歴も個人の受信箱ではなく、社内で見られる場所へ。人の異動があっても運用を引き継げる形が、作って終わりにしないための基礎になります。
まだ資料がそろっていない段階でも相談できます
NIR株式会社は静岡市駿河区を拠点に、業務の聞き取りから設計、導入後の改善まで一緒に進めています。「何を作るか」ではなく「今どこで仕事が詰まるか」から伺います。社内体制や予算の組み方に迷っている段階なら、現状の台帳や手書きメモだけでも大丈夫です。必要な範囲を整理したい方は、システム導入・開発を無料で相談するからお声がけください。