静岡市で外壁塗装の見積もりを取ると、「せっかく足場を組むなら屋根も一緒に」と提案されることがあります。理屈は通っていますが、いつでも同時施工が得とは限りません。
NIRで現場を見る私が確認するのは、足場の金額より先に、外壁と屋根があと何年持ちそうかという差です。駿河区の海に近い場所、葵区の山あい、日当たりの強い南西面では傷み方が違います。築年数だけで決めると、まだ使える塗膜まで早く塗り替えることになります。
足場代は「一回分減る額」で比べる
足場は職人が安全に作業する床で、飛散防止シートや組立・解体、運搬も伴います。一般的な二階建て住宅では、足場関連だけで20万〜35万円ほどになることがあります。これはあくまで目安。建物の外周、高さ、屋根の勾配、隣家との間隔、トラックを置けるかで変わります。
判断するときは、二つの工事代を単純に足すのではなく、別々に施工した場合に足場を何回組むかを見ます。説明用に、足場25万円、外壁工事80万円、屋根工事55万円と仮定します。同時なら合計160万円。外壁を先に行い、数年後に屋根を施工すると、足場がもう一度必要になり合計185万円です。差の25万円が同時施工で減らせる候補額。実際には補修内容や諸経費が変わるため、税込み総額と内訳の両方で比べます。
外壁と屋根、同じ速度では傷まない
外壁では、手に白い粉が付く状態、目地の割れ、塗膜の膨れ、窓まわりのひびを見ます。ただし、白い粉だけで雨水が内部へ入っているとは断定できません。方角ごとの写真と、ひびの幅が分かる接写を残すのが先です。
屋根は地上から色あせしか見えなくても、上では棟板金の浮き、屋根材の割れ、金属部のさびが進んでいる場合があります。反対に、退色はあっても下地が健全で、急いで塗り替える段階ではないことも。高所へ自分で上がらず、撮影位置が分かる全景と接写を施工会社に求めてください。
塗装では直らない傷みもある
雨漏り、屋根材の大きな反り、下地の腐食があると、塗るだけでは原因を解消できません。部分補修、重ね葺き、葺き替えの検討が必要です。「屋根塗装一式」だけの見積もりで進めず、下地の診断と補修方法を分けて確認します。
残り年数の差が3〜5年以内なら同時を検討
私が資金計画を整理するときは、外壁と屋根の次回工事時期の差が3〜5年以内かを一つの目安にします。近いなら、足場の重複を避ける効果が出やすいからです。塗料名の耐用年数だけでなく、現在の密着状態、前回の施工年、補修歴まで見て決めます。
- 同時施工が合いやすい例 外壁の目地補修が必要で、屋根にも割れやさびがあり、どちらも数年以内の手入れが見込まれる。
- 分ける余地がある例 外壁を数年前に施工済みで屋根だけ傷んでいる、または屋根を交換済みで外壁だけ補修期を迎えている。
- まず原因確認が先の例 室内に雨染みがある、台風後から漏水した、屋根材がずれている。
「足場がもったいない」だけで健全な側を前倒しすると、節約した足場代より早期施工の負担が大きくなることがあります。逆に、翌年にもう一方の工事が確実なら、一度で行う合理性は高めです。
工期は倍にならないが、天候の余白は必要
30坪前後の住宅なら、外壁だけで10〜14日、外壁と屋根の同時施工で14〜20日ほどが一般的な目安です。洗浄、乾燥、下地補修、塗装、点検という順番があり、雨天や強風の日は無理に進めません。静岡では梅雨時と台風期に予定がずれやすく、日数より「何の工程で休むか」を先に聞く方が実務的です。
店舗兼住宅では、足場が看板や出入口にかからないか、搬入時間を確保できるかも確認します。駐車場を一部使うなら営業への影響も費用です。着工前に出入口、車両位置、休工日の連絡方法を紙にしておくと、現場の行き違いが減ります。
見積書は同じ条件にそろえてから相談を
見積もりには、足場とシートの面積、外壁と屋根の塗装面積、下塗り・中塗り・上塗りの材料名、目地や板金の補修範囲、追加費用が出る条件を記載してもらいます。「一式」が多いと、同時施工の得失を判断できません。現場写真と数量が対応しているか。ここが肝です。
NIRでは、静岡市の現場を確認し、同時施工を前提にせず、今直す場所と数年待てる場所を分けてお話しします。塗装の相談はお問い合わせから受け付けています。
工事写真や見積もり、保守履歴を社内で追える形に整えたい事業者には、業務の流れに合わせた仕組みづくりも対応しています。必要なときはシステム導入・開発を無料で相談するから状況をお聞かせください。急がせず、現場と予算の順番を一緒に整理します。