見積書は出した。ところが一週間後、担当者が『その後の連絡、誰かしましたか』と気づく。静岡の営業会社から相談を受けると、こうした抜けは担当者の注意力より、案件の置き方に原因があることが多いと感じます。
CRMは顧客名簿を入れる箱ではありません。案件が今どこにあり、次に誰が何をするかを、朝の数分で確認できる仕事道具です。特に見積提出後は、案件ステータスと次回予定を別々に持たせると流れが見えます。
「見積提出済み」だけでは、次の行動が分からない
案件ステータスは、商談がどの段階にあるかを示す札です。たとえば「初回相談」「要件確認中」「見積作成中」「見積提出済み」「先方検討中」「受注」「保留」「失注」。会社の売り方に合わせ、現場が迷わない数に絞ります。
一方、次回予定は未来の行動です。「木曜午前、担当の佐藤が電話で到着確認」のように登録します。同じ見積提出済みでも、明日連絡する案件と、先方の社内会議が終わる二週間後まで待つ案件は別物。ここを一つの欄で済ませると、担当者の頭の中に予定が戻ってしまいます。
最低限、分けて持ちたい項目
- 案件ステータス 現在地を一つ選ぶ
- 次回予定日 いつ動くかを日付で決める
- 次回対応 電話、訪問、資料送付などを具体的に書く
- 担当者 社内の誰が動くかを一人に定める
- 先方の状況 決裁者、検討時期、保留理由を事実として残す
提出当日と数日後、連絡の目的を変える
見積提出後の連絡を全部「追客」にすると、担当者も先方も身構えます。私なら、提出当日か翌営業日は到着確認。金額や工事範囲、仕様に読み違いがないかを短く確かめます。次の連絡は一般的に三日から一週間後を目安にしますが、先方から指定された検討日があれば、そちらが優先です。
たとえば火曜にPDFを送ったなら、CRMへ「水曜、受領確認」「翌週火曜、社内検討の結果を確認」と二段で置く。訪問営業であれば「駿河区から藤枝へ移動する金曜午後に訪問」と予定へ入れてもよいでしょう。ただし、担当者の都合だけで連絡日を決めず、商談時に『いつ頃なら確認できますか』と聞いておくのが肝心です。
先方が忙しい時期には「月末まで保留」と記録し、次回予定を月末の翌営業日に置きます。保留は放置ではありません。再開日が決まっている待機です。
入力を増やしすぎると、現場はCRMから離れる
設計会議では、受注確度、競合名、予算、決裁経路など、欄を増やしたくなります。けれども静岡市内から焼津、藤枝、富士方面まで外回りする担当者が、車へ戻って十数項目を毎回入力する運用は長続きしません。最初は、次回予定日、対応内容、担当者、保留理由の四つで十分です。
入力画面では、ステータスを「見積提出済み」に変えたら次回予定を必須にする。受注または失注へ移したときだけ、次回予定を空にできる。この制御を入れると、予定のない進行案件を登録時点で見つけられます。
自由記述より選択式が向く欄
- 失注理由は「価格」「時期」「仕様不一致」「他社決定」「連絡不通」などから選び、補足だけ自由記述にする
- 対応方法は電話、メール、訪問、オンライン面談から選ぶ
- 保留理由と再開予定日は組にして、理由だけで終わらせない
朝の一覧は「今日」「期限超過」「予定なし」で見る
管理者向けの画面に全案件を並べても、件数が増えるほど見なくなります。最初に出すのは、今日対応する案件、予定日を過ぎた案件、見積提出済みなのに次回予定がない案件。担当者別に絞れれば、朝礼で確認する対象も明確です。
数字を見る際は、見積提出件数だけで評価しません。次回予定未登録件数、期限超過件数、提出から初回確認までの日数も合わせます。受注率は金額や業種、検討期間で変わるため、担当者を単純に順位づけする材料にせず、詰まりを探す目印として使います。
導入時は過去の全顧客を整えるより、今動いている案件から始める方が現実的です。一週間ほど試し、現場で意味が重なるステータスは統合する。翌週に期限超過の理由を聞き、通知時刻や入力項目を直す。小さく回して、使われる形へ寄せていきます。
自社の営業手順に合う形から相談できます
商材、訪問範囲、決裁までの長さが違えば、合うステータスも変わります。NIRでは既存の表計算や営業日報を確認し、いきなり大きな仕組みにせず、見積提出後の抜けが見える最小構成から整理します。今の管理方法でどこが止まっているかを一緒に確かめたい場合は、システム導入・開発を無料で相談するから状況をお聞かせください。