閉店後、POSレジの売上は合っているのに、ドロアーの現金が足りない。静岡市内の小規模店舗で締め作業を見せてもらうと、機器の故障より先に、比べる数字や営業日の範囲がずれている場面があります。
慌てて売上を修正すると、原因を追う手掛かりまで消えます。まず記録を残し、現金が動いた順に切り分けるのが近道です。
売上総額とドロアーの現金は、同じ数字ではない
最初に確かめたいのは、POSの「売上総額」と「現金売上」を混同していないか。売上総額には、カードやコード決済、未収金など、その場で現金が入らない会計も含まれます。
たとえば、現金一万円とカード一万円の会計が一件ずつなら、売上は二万円でもドロアーに増えるのは一万円です。比べる相手は売上総額ではなく、支払方法別集計の現金欄になります。
理論上の現金残高は、開始時の釣銭準備金に当日の現金受取と過去の未収回収を足し、現金での返金や店内からの出金を引いた金額。まずこの数字を一本に決めます。
- 営業開始時に入れた釣銭準備金
- 当日の現金会計と現金返金
- 以前の未収金を当日回収した額
- 仕入れや立替精算など、売上以外で動かした現金
修正する前に、時点と証拠を固定する
差異が出たら、最初の状態を写真や出力帳票で残します。数え直す前後で売上取消や支払方法の変更をすると、どの操作が差を生んだのか分からなくなるためです。
私なら、店舗名、営業日、レジ端末、締め時刻を紙の上部に書きます。そのうえで現金を金種別に数え、できれば別の担当者がもう一度確認。千円単位の不足なら紙幣、一円や十円単位なら釣銭や端数処理という具合に、探す範囲を狭められます。
手元にそろえる記録
- 支払方法別の売上集計
- 取消履歴と、元になった伝票番号
- 値引き履歴、操作時刻、担当者の利用者番号
- 未収金の発生と回収の一覧
- 中間締めと最終締めの出力結果
差額だけを「不足」と記すのでは足りません。理論残高、実残高、差額を同じ行に残すと、翌日以降も同じ基準で追えます。
取消は「会計前か後か」「返金したか」で見る
注文入力だけを消した会計前の取消なら、通常は現金が動きません。会計後の取消は別物です。現金を返したのにPOSで取消していなければ実残高が不足し、POSだけ取消して返金していなければ実残高が多くなります。
カード会計を取り消したのに、誤って現金で返したケースも確認対象。取消伝票だけで判断せず、元伝票の支払方法、取消時刻、返金方法を一組で照合します。閉店後の取消が翌営業日に入っていないかも見逃せません。
権限設定も効きます。取消を責任者だけに限定しつつ、誰が承認したかを履歴に残せれば、スタッフを疑う前に操作の流れを確認できます。
値引きと未収金は、手書きメモとPOSのずれが出やすい
値引きは、商品単位か会計全体か、会計前か会計後かで集計の見え方が変わります。現場で金額だけ安く受け取り、POSには定価のまま残っていれば、その分だけ現金不足に見える。手書きの値引き券がある店では、券の枚数と値引き履歴を一件ずつ合わせます。
未収金は売上として計上しても、当日の現金は入りません。例として一万三千二百円の会計で、三千二百円を現金、一万円を未収にしたなら、当日の入金は三千二百円。残りを後日現金で回収した日は、当日売上ではなく「過去の未収回収」として現金を増やします。
顧客名だけのメモでは、同姓や記入漏れが起きます。伝票番号、発生日、未収額、回収日、受取方法までつながる形が実務的です。
午前0時をまたぐ店は、営業日と締め範囲を疑う
静岡駅周辺の飲食店や夜間営業の店舗では、暦の日付と営業日が一致しないことがあります。たとえば午前五時を日付変更に設定しているPOSで、端末だけ午前0時基準の帳票を出せば、深夜分が別日に見えます。
複数レジがある店では一台分だけ、交代時に中間締めをする店では中間締めと最終締めの両方を足していることもあります。帳票の対象営業日、集計開始と終了、端末番号、確定前か確定後かを見比べます。
差異を翌日に持ち越さない記録欄
- 営業日、端末番号、締め担当者
- 理論残高、実残高、差額
- 該当する伝票番号と操作履歴
- 判明した原因と、その日に行った訂正
- 原因未確認なら、次に照合する帳票
理由の分からない差額を雑収入や不足金で毎日埋めると、同じ操作ミスを発見できません。差額の大小だけでなく、同じ担当時間帯や同じ処理の後に繰り返していないかを見る。システム設定を直すべきか、手順を一本化すべきかの判断材料になります。
店舗の締め方に合う確認画面から整えます
POSの数字が合わない原因は、店舗ごとの会計手順を見ないと切り分けられません。NIR株式会社では、現在の帳票と締め作業を確認し、既存システムの設定見直しから業種に合わせた改修まで、必要な範囲を整理しています。
毎晩の差異確認に時間がかかる、取消や未収の履歴を追えないといった段階でも構いません。システム導入・開発を無料で相談するから、今使っている締め票や困っている場面をお聞かせください。現場の流れを崩さない方法から一緒に探します。