静岡の会社で業務システムの相談を受けると、最初に見せていただくのはExcel台帳であることが少なくありません。顧客一覧、案件表、売上表が別々に育ち、担当者しか分からない列や色分けが増えている。ここを整理せずに移すと、使いにくさまで新しい仕組みに持ち込んでしまいます。
システム選びより先に必要なのは、今ある台帳の棚卸しです。静岡市の事業所でも、焼津や藤枝の店舗でも、業種が違っても確認する順番はよく似ています。
まず列名ではなく「何のための情報か」を確かめる
私が現場で最初にするのは、Excelの列を眺めながら、実際に入力している方へ用途を聞くことです。「担当」という列でも、営業担当なのか、作業担当なのか、最終確認者なのかで意味が変わります。列名だけを信じると、移行後の検索や集計がずれます。
項目ごとに残しておきたいメモ
- 項目の意味 誰が見ても同じ解釈になる説明
- 入力する人と時点 受付時、受注時、作業後など
- 必須か任意か 空欄でも業務が止まらないか
- 入力形式 日付、金額、選択肢、自由記述のどれか
- 使い道 検索、請求、連絡、集計のどこで使うか
背景色や太字にも意味が隠れています。赤は未入金、黄は折り返し待ち、といった運用です。色そのものを移すのではなく、「対応状況」という項目に置き換えた方が、絞り込みや担当者間の共有に使えます。
重複は消す前に、同じ相手かどうかを判定する
同じ会社名が二行あっても、支店や担当部署が違えば別データです。反対に、全角と半角、旧字体、電話番号のハイフン違いで、同じ顧客が別人扱いになっていることもあります。清水区と富士市に拠点を持つ取引先などは、法人と拠点を分けて管理すると後で困りません。
重複確認で照合する順番
- 顧客番号や会員番号など、社内で一意の番号
- 電話番号やメールアドレス
- 会社名、店舗名、住所
- 過去の取引履歴と担当者名
機械的に一括削除するのは危険です。候補を一覧にして、人が「統合」「別のまま」「判断保留」を付ける形が現実的。統合する場合も、古い履歴を消さず、どちらへ寄せたか記録を残します。
空欄と古い情報を同じ扱いにしない
空欄には、未入力、該当なし、確認できていない、の違いがあります。すべてを空文字のまま移すと、後から追うべき案件が見えなくなります。「未確認」を選択できるようにするだけでも、確認漏れは拾いやすくなります。
長年使った台帳には、退職者名、終了した商品、使われていない集計列も残りがちです。ただし、見た目が古いからと削るのは早計。過去の問い合わせや会計資料との照合に必要な場合があるため、現役データ、参照用データ、移行しないデータに分け、保管期間と確認者を決めます。
権限は役職名より、できる操作で決める
「管理者」「一般」の二種類だけでは、現場の動きに合わないことがあります。店舗責任者は全案件を見たいが、金額の確定は経理だけ。営業担当は自分の顧客を更新したいが、削除はさせたくない。こうした実務を、閲覧、登録、変更、削除、出力の操作に分けて決めます。
権限表に入れると判断しやすい内容
- 誰が、どの部署や店舗のデータを見られるか
- 金額や個人情報など、閲覧を絞る項目は何か
- 変更履歴を残す操作と、承認が必要な操作
- 退職や異動の際に、誰が利用停止を行うか
現場で起きやすいのは、便利だから全員を管理者にしてしまうことです。最初は早くても、誤削除や持ち出しの範囲が広がります。通常業務に必要な権限から始め、足りない操作だけ追加する方が安全です。
一度に切り替えず、実データで小さく試す
移行件数が多いほど、ぶっつけ本番は避けたいところです。一般的には一部の顧客や直近数か月分を使い、検索、登録、集計、出力まで通して確認します。件数よりも、例外を含めることが肝心。法人と個人、複数店舗、未入金、休眠顧客など、普段の業務で困りやすいデータを試します。
- 元のExcelを複製し、変更前の版を残す
- 項目対応表を作り、どの列がどこへ入るか確認する
- 少量を試験移行し、現場担当と数字を突き合わせる
- 修正後に全件を移し、件数と主要な合計値を再確認する
- 切替日と、元の台帳を参照専用にする日を決める
Excelと新システムの両方へ長く入力すると、どちらが正しいか分からなくなります。並行期間は目安として短く区切り、正本を切り替える日時と、差分を確認する担当者まで決めておきます。
今の台帳を見ながら、移行範囲を一緒に整理できます
NIR株式会社では、静岡の中小企業や店舗の業務を見せていただき、既製システムで足りるのか、個別の調整が必要かを整理しています。まだ要件が固まっていなくても構いません。Excelのどこから手を付けるべきか迷っている段階なら、システム導入・開発を無料で相談するから、現在の運用と困っている場面をお聞かせください。移行しない方がよい項目も含め、現場で使い続けられる形を一緒に考えます。