Excelの顧客台帳をCRMへ移すとき、先に片づけたいのは「同じお客様が複数いる」「名前の書き方が違う」「誰が担当か分からない」という状態です。CRMは、顧客情報と対応履歴を社内で共有する仕組み。静岡市駿河区のNIR株式会社で導入支援に向き合う私なら、取り込み作業の前に、迷ったデータを誰が確かめるかまで決めます。
元のExcelを残し、何を一件と数えるか決める
最初に、営業担当や事務が持つ台帳を集め、元のファイルを日付付きで保存します。編集するのはコピーだけ。顧客情報を含むため、保存先を社内で決め、確認に必要な人だけが開ける状態にします。
次に決めるのが、一件の単位です。例えば、静岡市内の卸売業が清水区の本社と焼津市の店舗へ納品している場面。同じ会社でも納品先や窓口が違えば、会社情報に各拠点・連絡先をひも付ける設計が必要です。会社名だけで一行にすると、現場で使う情報が抜けます。
整理用の表には、元ファイル名、シート名、元の行を追える固定の番号、顧客番号、整理状況の欄を用意します。番号は並べ替えても変えないものに。顧客番号がなければ仮番号を付け、CRMの番号との対応を後で残せるようにします。
表記は比較用の列でそろえ、正式な名前を守る
「株式会社」と「(株)」、全角と半角、前後の空白。こうした違いは、元の値を残したうえで別の列にそろえると、重複候補を探しやすくなります。比較のための表記と、請求書などに使う正式な表記は分けて扱います。
住所は都道府県、市区町村、番地、建物名まで確認。「静岡市」以降だけの住所へ県名を補うなら、手元の契約書などで所在地を確かめます。旧住所と現住所、建物の別室を機械的に同じにしないこと。会社名の前後にある「株式会社」も、一律に移動させません。
電話番号のハイフンを外す比較列も便利ですが、先頭の0は残します。Excelでは、入力・読み込み前に電話番号や顧客番号を文字列として扱う設定が必要です。消えた0は後から表示形式を変えるだけでは戻りません。具体的な操作はMicrosoftの先頭のゼロを保持する手順で確認できます。
似ている行を集めてから、統合するか判断する
電話番号や社名が一致しただけでは、同じ顧客と確定しません。代表番号を共用する支店も、同じ建物に入る別会社もあります。私なら比較用の会社名で候補を集め、住所、電話番号、取引書類を突き合わせます。
- 同じ会社・同じ拠点と確認できた行は、統合候補にする。
- 会社は同じでも拠点や連絡担当者が違えば、それぞれの情報を残す。
- 住所や連絡先が食い違う行は、確認が済むまで保留にする。
- 情報が足りない行には、確認先と未解決の理由を付ける。
統合では、更新日が新しい行を丸ごと採用せず、項目ごとに根拠を確認します。過去の商談や対応メモは、日付と出所を付けて残す。連絡を控えてほしいという希望も引き継ぎます。旧番号と統合先番号、判断した人、理由も記録すれば、誤った統合を見つけたときに元をたどれます。
Excelの「重複の削除」は行を消す操作です。Microsoftも元データのコピーを案内しています。先に重複候補を色付けして確認し、整理前の台帳へ直接この操作をかけない運用にします。
担当者不明は、確認する人と期限を付けて残す
担当欄が空白、退職した人の名前、名字だけ。ここを推測で現役社員に置き換えると、引き継ぎ済みだと誤解されます。「顧客の担当者」と「担当を調べる人」は別の欄です。
例えば担当は「未確定」、確認する人は営業責任者、期限は社内で決めた日付、と分けます。最終対応日や見積書、引き継ぎ記録を確認し、根拠が見つからなければ未確定のまま。旧担当者名は経緯として残します。CRMで担当者が必須なら、仮の確認担当を割り当てる運用が可能か確かめ、未確定の印を残します。
最近の問い合わせや対応中の案件を先に確認し、長く動きのない顧客は後へ。同姓の社員を取り違えないよう、移行先の担当者は社員番号などで対応付けます。担当不明を理由に顧客ごと削除する必要はありません。
少量を試し、件数と履歴が合ってから切り替える
移行先の必須項目とExcelの列を対応付け、日付や文字の形式も確認します。試験は目安として20〜50件ほど。住所の長い行、先頭が0の番号、統合した顧客、担当未確定の顧客を含め、利用する担当者にも画面を開いてもらいます。
確認するのは取り込み件数だけではありません。会社と連絡先のつながり、過去の対応履歴、担当者の表示、普段使う名前で検索できるかまで。件数は会社・拠点・連絡先ごとに分け、整理後の移行予定件数と登録・更新できた件数を照合します。元の各行が移行・統合・保留のどれに進んだかも追い、取り込みの失敗分は別に記録します。
失敗分を再投入する前に、新規追加と既存更新をどう判定するCRMなのか確認します。顧客番号で更新できるか試し、やり直しで重複を増やさないためです。切替日時と更新担当も決め、作業中に増えた情報を反映した後は、旧Excelを参照用にします。
台帳を見ながら、移行の順番から相談できます
NIR株式会社は「作って終わりにしない」を掲げ、静岡の中小企業・店舗の導入から運用改善まで支援しています。判断待ちの行が多いなら、確認に必要な作業量を見て、移行範囲を分ける選択もあります。
何から手を付けるか迷う段階でも、システム導入・開発を無料で相談するからお声がけください。まずは個人情報を除いた列名と困っている点をもとに、整理の順番から一緒に考えます。