AIチャットボットが、変更前の受付時間を答えてしまう。そんな誤案内を減らすには、回答のもとになる資料を更新する人と、人へ引き継ぐ条件を先に決めておく必要があります。静岡市駿河区を拠点に業務システムを支援するNIRの担当として、私は「誰が直して、誰が返事を引き取るか」までを導入時に詰めたいと考えています。
受付の答えと、AIが読む資料をそろえる
駿河区の美容室を想定してみます。店頭では当日の予約変更を電話で受けているのに、AIには以前の「前日まで」という案内が残っている。この場合、文章の言い回しを直すだけでは解決しません。以下は運用を考えるための想定例です。
最初に、受付時間や予約変更などの項目ごとに「この資料を正しい基準にする」と決めます。表計算の一覧でも十分。項目名、回答文、根拠資料、適用開始日、更新担当者、最終確認日を同じ行に残せば、後から確認先を探さずに済みます。
回答文には条件も添えます。「予約変更は可能」だけで終えず、対象となる予約、期限、期限を過ぎた場合の連絡先まで。社内向けの交渉メモや顧客情報は、公開回答用の資料から分けて管理します。
資料の保存と、回答への反映は別に確かめる
資料を検索して回答する仕組みでも、元のファイルを直しただけで反映されるとは限りません。例えばMicrosoftの公式資料には、ファイルをアップロードして回答の情報源にする方式が示されています。利用中の製品が再登録を要するのか、自動で読み直すのかを確認してください。
- 変更内容を受付責任者が確認し、適用開始日を決める。
- 変更前の資料は控えを残し、AIの参照対象から外す。新資料を登録し、取り込み完了を確認する。
- 「今日の予約を変えたい」「当日でも変更できる?」など、実際の聞き方で試す。
- 適用日前後の答えと参照資料を確認して公開し、公開先でも同じ質問を試す。
試験する質問は、出発点の目安として10件程度。通常の質問に加え、対象外の依頼や資料に答えがない質問も含めます。金額や受付条件の変更は実施日までに確認し、それ以外は週1回程度を点検の目安にすると、担当者の予定にも組み込みやすくなります。
「分からない」を、人に渡す条件へ変える
私は、人に渡す条件を文章で決めてから、自動回答の範囲を広げる方法を勧めます。AIに「自信はありますか」と聞くだけでは、回答の正しさを確かめたことにはなりません。
- 根拠資料が見つからない、古い、または内容が食い違う。
- 返金の可否や個別の値引きなど、担当者の判断が必要になる。
- 苦情が寄せられた、または利用者が人との対応を希望した。
- 聞き直しても用件が分からず、同じやり取りを繰り返している。
人を希望した場合は、その時点で切り替えます。聞き直しの上限は、運用開始時の目安として2回までなどと設定する方法があります。予約の確定も、予約台帳と連動して確認できないならAIだけで約束しない。これは資料更新だけでは補えない部分です。
「担当に伝えました」は、受付を確認してから
有人対応は、その場でチャットを交代する方法と、問い合わせとして受け付けて後から返事をする方法があります。接客中に画面を見られない店舗なら、後者のほうが運用に合う場合もあります。
渡す内容は、用件、AIが案内した内容、未解決の点、参照資料とその版。担当者が最初から聞き直さずに済む情報です。Microsoftも、有人対応への引き継ぎで会話履歴などを共有する仕組みを説明しています。実際に渡せる項目は製品や連携先によるため、導入前の確認が必要です。
送信に失敗したのに「伝えました」と表示しては困ります。受付記録と担当者への通知を確認できた場合に受付済みと表示し、失敗時は既存の電話窓口などを案内する設計にします。営業時間外には受付時間と返答の目安を表示し、守れない即時対応は約束しません。
連絡先を集めるときは用途を示し、必要な情報だけに絞ります。受け取る担当と不在時の代わりも決め、未対応が残ったら管理者が気づくようにしておきます。
誤案内が出た質問を、次の確認に残す
誤案内を見つけたら、まず該当する自動回答を止め、確認が済むまで人へ回します。影響を受けた利用者への訂正が必要かは担当者が判断。そのうえで、資料が古かったのか、別の資料を拾ったのか、引き継ぐ条件を外したのかを切り分けます。
直した後は、問題の質問を試験用の一覧へ追加します。点検では確認した会話数と誤案内数、有人対応の未処理数を一緒に記録。履歴を取得できなかった日は「誤案内0件」にせず「未確認」と残します。私なら、自動で答えた割合だけでなく、お客様が返事を待ったままになっていないかを見ます。
いまある回答資料から、運用を相談する
NIR株式会社は「作って終わりにしない」を掲げ、静岡の中小企業・店舗の導入から運用改善まで支援しています。更新する人が決まらない、接客中の引き継ぎが難しい。そんな段階でも、いまの問い合わせ対応をもとに整理できます。
システム導入・開発を無料で相談するから、現在の回答資料や困っている質問をお聞かせください。